退職のベストタイミングはいつ?賞与・年度末・繁忙期の考え方
「退職はいつ言い出せばいいんだろう」と迷っていませんか。実は絶対の正解はありません。賞与支給後や年度末、繁忙期を避けるといった考え方の材料と、就業規則で確認しておきたいポイントをやさしく整理しました。
退職を考えたとき、「いつ言い出すのがベストなんだろう」と迷うことはありませんか。実は、退職のタイミングに絶対の正解はありません。賞与(ボーナス)の支給後、年度の区切り、引き継ぎがしやすい閑散期などが判断材料になりますが、どれを優先するかは人それぞれです。就業規則の退職ルールと合わせて、自分にとって無理のない時期を選べば大丈夫です。2026年9月時点の制度をもとに整理します。
退職のタイミングに「絶対の正解」はありません
退職のタイミングは、職場の状況、就業規則、家庭の事情などによって最適解が変わるため、唯一の正解があるわけではありません。大切なのは、よくある判断材料をいくつか知ったうえで、自分にとって無理のない時期を選ぶことです。心身の不調が理由の場合は、これから紹介する判断材料よりも、自分の状態を優先して構いません。
タイミングを決めるときのチェックリスト
退職日を検討するときは、以下の項目を確認しておくと安心です。ひとつずつチェックしながら進めてみてください。
賞与(ボーナス)の支給後を選ぶ人が多い理由
賞与は「支給日に在籍していること」を支給条件にしている会社が多く、支給後に退職を申し出るケースがよく見られます。ただし支給条件は会社の賃金規程によって異なるため、思い込みで判断せず、就業規則や賃金規程を確認しておくと安心です。賞与の算定期間の途中で辞めると満額が支給されない場合もあるため、算定期間と支給日の両方をチェックしておきましょう。
年度末・年度替わりというタイミング
多くの企業は4月始まりの年度で人員計画を立てているため、年度末(3月末)や区切りの良いタイミングでの退職は引き継ぎがしやすく、会社側の負担も少なくなります。特に整備工場や配送拠点など、シフトや人員配置が年度単位で組まれている職場では、年度替わりを意識すると調整がスムーズになりやすいでしょう。もちろん、年度の途中であっても、就業規則のルールに沿って申し出れば退職すること自体に問題はありません。
繁忙期を避けるという考え方
自動車業界やドライバー・配達の仕事は、決算期や年末年始、引っ越しシーズンなど繁忙期と閑散期の差が大きい職場も少なくありません。繁忙期に退職を申し出ると引き継ぎが難しくなり、職場に負担がかかりやすいため、可能であれば比較的落ち着いている時期を選ぶと円満に進めやすくなります。ただし、心身の不調があるなど繁忙期を待つことが難しい事情があるときは、無理に時期を合わせる必要はありません。
就業規則の退職ルールは必ず確認しておきましょう
「民法627条」という法律で、期間の定めのない雇用契約は退職の申し入れから2週間で終了すると決まっており、会社の承諾は不要です。ただし多くの会社は就業規則で「1か月前までに申し出ること」などと定めています。希望するタイミングで円満に退職するためには、逆算していつまでに申し出る必要があるかを、就業規則で確認しておくことが欠かせません。
引き継ぎ期間も考慮に入れる
退職日を決める際は、後任者への引き継ぎにどれくらいの期間が必要かも考えておくと、退職の申し出から実際の退職日までのスケジュールを立てやすくなります。
- 担当業務の範囲が広い、専門知識が必要な場合は、就業規則の期間より余裕を持って申し出るのも一つの手です
- 反対に、心身の不調など事情がある場合は、無理に長い引き継ぎ期間を確保する必要はありません
有給休暇の消化も踏まえて決める
退職日を決める際は、残っている有給休暇を消化する期間も考慮しておくとよいでしょう。有給休暇は在職中の買い取りは原則認められていませんが、退職時であれば残日数をまとめて買い取ってもらうことも可能です(会社の規定によります)。有給を計画的に消化してから退職する方法は有給休暇を全部消化して辞める方法で詳しく解説しています。
家族やライフイベントとの兼ね合いも判断材料に
引っ越しの予定、家族の転勤、子どもの進学など、プライベートな予定と退職のタイミングを合わせたいという人もいます。会社側の都合だけでなく、自分や家族の生活面でのスケジュールも判断材料の一つとして考えておくと、退職後の生活設計がしやすくなります。急な事情で会社都合の判断材料と自分の生活の都合が合わないこともありますが、その場合はどちらを優先するか、自分なりに整理しておくと会社に説明する際も伝えやすくなります。
退職金への影響も確認しておくと安心です
勤続年数によって退職金の税金の計算が変わる場合があります。退職所得控除は勤続20年以下の部分が「40万円×勤続年数」、20年を超える部分は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算されるため、勤続年数の節目が近い場合は、その点も踏まえてタイミングを検討する材料になります。詳しくは退職金の税金・退職所得控除をご覧ください。
やりがちな失敗
タイミングを決めるときに、つまずきやすいポイントをまとめました。
- NG1|賞与の支給条件を確認せずに退職日を決める: 「在籍していれば必ずもらえる」と思い込んで後から算定期間の対象外だと気づくケースがあります。事前に賃金規程を確認しておきましょう
- NG2|就業規則を見ずに退職日を先に周囲へ伝えてしまう: 申し出期限を知らないまま日程を口にすると、後で調整が難しくなることがあります
- NG3|引き継ぎ期間をまったく見積もらない: 直前になって「間に合わない」と焦らないよう、余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です
- NG4|有給消化のことを後回しにする: 退職日から逆算して有給を組み込まないと、消化しきれないまま退職日を迎えてしまうことがあります
状況別の考え方
転職先がすでに決まっている場合
内定先の入社希望日と、今の会社での退職手続きにかかる期間をすり合わせておく必要があります。選考や内定の連絡は前後することがあるため、退職の申し出をいつ行うかは、就業規則で定められた期間に加えて、多少の余裕を見込んでおくと調整がしやすくなります。転職エージェントや直接応募のどちらを使う場合でも、内定後のスケジュール調整については早めに相談しておくと安心です。
まだ転職先が決まっていない場合
自分の生活サイクルや心身の状態を優先して、無理のないタイミングを選んで大丈夫です。退職後のお金の流れが気になる場合は退職後にもらえるお金 全一覧を先に確認しておくと、スケジュールを立てやすくなります。
実際に伝えるタイミングを決めたら
退職の時期が固まったら、次は誰にいつどう伝えるかです。申し出るタイミングと実際の退職日は別のものとして考え、就業規則のルールから逆算して申し出の時期を決めましょう。具体的な切り出し方は退職の切り出し方にまとめています。
出典
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/
ボーナスをもらってから辞めても問題ないですか?
制度上問題はありません。ただし賞与の支給条件(在籍要件など)や算定期間の扱いは会社によって異なるため、就業規則や賃金規程を確認しておくと安心です。
繁忙期に辞めたいと言い出しにくいのですが、待つべきですか?
引き継ぎのしやすさを考えると閑散期の方が調整しやすい傾向はありますが、心身の不調など待つことが難しい事情がある場合は、無理に繁忙期を避ける必要はありません。就業規則のルールに沿って早めに相談することを検討してください。
退職日はいつまでに会社に伝えればいいですか?
民法上は申し入れから2週間で契約が終了しますが、多くの会社は就業規則で「1か月前までに申し出ること」などと定めています。円満に進めたい場合は、就業規則を確認したうえで、希望する退職日から逆算して早めに伝えておくと安心です。